紅葉の映える日々。

Life is too short to drink bad sake.

アメリカン・ステーキとレーヴェンスウッド。

 

私にとってアメリカ合衆国、とりわけ西海岸は複雑な思いを抱かせる場所である。

そこには革新があり、文化があり、食がある。

しかしそこには、拭いきれない貧困があり、歴史の闇がある。

 

それでも私は、カリフォルニアという無限の光輝を放つ場所に惹かれたのだ。

夏休みに西海岸に滞在し、多くの出会いを得た。

そして多くの食を得た。

しかし経験不足で終わったモノもあった。

それがステーキとカリフォルニアワインである。

ステーキは少しの量しか食べられなかったし、ワインについては知識が無く自家製ワインを頂いたぐらいであった。

まあその自家製ワインは最高に美味しかったのだけれど、もう少しカリフォルニアワインの知識を付けてからそいつを味わいたいと思った。

 

そんなわけでステーキとワインについてはリトライしたかったのだ。

ということで。

 

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ステーキ522グラム。

今回は何時ものオージービーフではなくアメリカンな肉によるステーキを喰らうことにした。

そしてワインはコイツである。

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レーヴェンスウッド ソノマ・カウンティ ジンファンデル

このワインはカリフォルニア州を中心に栽培されているジンファンデルという葡萄を使ったワインだ。

特徴としてはフルボディで濃厚なブラックベリーの味と後から来る黒胡椒感だろう。

人生でワインを飲んだ経験があまりないものだから、こういう芯のあるワインは印象的で好ましく感じられた。

 

そして、このワインをビーフ・ステーキに合わせてみた。

さて、お味は...?

 

Excellent!

 

赤身の味わいと脂身が、存在感の強いワインと拮抗し絶妙に両者を引き立てている。

赤身には赤ワインと聞いていたが、まさかここまで合うとは。

美味しさが身体を突き抜け、今が続いているのに次を求める自分が居た。

 

気がついたら肉は無くなっていたし、ワインは半分くらい減っていた。

焼き加減も最高だったし、ワインの味も最高だ。

食事が終わってしまったことが切なく、なくなってしまったことが哀しみを誘う。

しかしこれでいいのだろう。

私はアメリカを食し、アメリカを飲み干した。

それはきっとどんな知識よりも、役立ち幸せなことなのだから。

 

もし貴方が疲れているのなら、アメリカの強さが貴方を救ってくれるかもしれない。

それは繊細な救済ではなく、大らかで満足のいくものなのだろう。

そして機会があれば、レーヴェンスウッドを飲んでみて欲しい。

貴方の舌をきっと満足させてくれるだろうから。

それでまた。