紅葉の映える日々。

Life is too short to drink bad sake.

感情を制御できるようになったお話。

 

今回は感情と社会、そして自分のお話である。

 

なんとなく無機質に生きている人がいる。外から見れば何を考えているのか分からないタイプだ。しかし、何も考えずに生きている人などこの世には存在しない。いや、世界中を探せばどこかに居るのかもしれないが、少なくとも私は見たことがない。

人には感情がある。そこに違いがあるとすれば、強弱の問題とそれをどのくらい表に出すかということであろう。そして上手く世の中を生きることができる人は場所によって自分の顔を使い分け、本音をしかるべき時以外には出さないような人なのだ。

こんな風に書いているが、私はそういった世渡り上手な人に対して悪感情を持っているわけではない。むしろTPOをしっかり自覚し大人として振る舞える人物だと思っている。

 

私はそうではなかった。他人との距離の縮め方がわからず、空回りをよくしていた。他人の視線なんか気にしないのに、自分が他人にどう思われているかが怖かった。他者の何でもない一言に過敏に反応し、苦労した。他者からの攻撃を受け流すことができず、どんなに無様でも反撃してきた。

そんな私も大学生になり、善き人々と出会った。今思うと私の人生において出会った人々はたいてい善き人々であったのだが、それに気づけたのも去年色々な人と交流し話す機会があったからだろう。私は確かに成長した。自分に合わない環境からはさっさと去り、自分がここが良いと思った環境でそこを自分にとって行きやすい場所へと変革させていった。

そう思うと、私は以前に比べて遙かに感情を制御できるようになった。悪意(大学生活で感じたことはほぼないが)を受け流せるようになった。他者に対し無遠慮な言葉を投げかけることがなくなった。

ああ、私は一つ大人の階段を上ったのだ。

 

しかし同時に恐れていることもある。それは私が世間一般の人のように外に出す感情を制御できるようになっただけであり、内側は依然変わらない煮えたぎる蒸気機関車なのだ。これが社会に出たとき、人の悪意に久しぶりに出会ってしまったときどうなるのかまだ想像できていない。どうせ泣き寝入りなんてしないだろうけど。

社会は広く、深い。大学生、とりわけ我々のような研究室で勉強に没頭していたい人にしてみれば、社会は無限のようであり光が一切入ってこない深淵のようなものだ。けれどそれは

 「暗闇はなく、無知があるのみ。」シェイクスピア

 である。世の中に何のためらいもなく人を傷つけられる人がいる反面、何のためらいもなく人に手をさしのべられる人もいるのだ。その事実を知らずして悲観を語るのはまさしく無知であろう。

 

私の人生は間違いなく幸福であった。なれば、私は私が幸せに生きられる場所で生きるべきだろう。それを探すのが就職活動であり、人生なのだ。故に人を見よう。サンプルを増やそう。自分の感情と社会の理性を分析しよう。嫌だなんて言葉は、大失敗してから吐けばいい。

まだ何も始まっていないのだから。さあ、状況を開始しようではないか。

それではまた。

 

 

感情 (〈1冊でわかる〉シリーズ)

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感情類語辞典

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